エクセルでのアンケート集計時に役立つテクニック

エクセルでのアンケート集計時に役立つテクニック

アンケート集計時に使えるエクセル関数

回答数を集計するCOUNTIF関数

COUNTIF関数を使用することで、回答数を選択肢ごとに集計することができます。

  • Q1〜Q20まで設問があり、それぞれに選択肢A〜Eで回答
  • アンケート回答は上図のようにテーブル形式になっている
  • Q1〜Q20の設問ごとに選択肢A〜Eの数を集計する(下図)
COUNTIF(範囲、検索条件)

上記図の例で説明

  • 範囲(データ一覧TBL[Q1])…「データ一覧TBL」はテーブル名。[Q1]でQ1の列を対象としている
  • 検索条件($B204)…「A」と入力されている。

これで範囲の中から「A」の数を集計して表示することになる。

 

条件付きで回答数を集計するCOUNTIFS関数

学年別など条件別に回答数を集計するにはCOUNTIFS関数を使用します。

  • Q1〜Q20まで設問があり、それぞれに選択肢A〜Eで回答
  • 学年に「1」〜「3」が入力されている(上図)
  • 学年が「1」となっているデータのQ1〜Q20の設問ごとに選択肢A〜Eの数を集計する(下図)
COUNTIFS(範囲1、検索条件1、範囲2、検索条件2、…)

上記図の例で説明

  • 範囲1(データ一覧TBL[学年])…「データ一覧TBL」はテーブル名。[学年]で学年の列を対象としている
  • 検索条件1("1")…「1」と入力されてデータ行を対象とする
  • 範囲2(データ一覧TBL[Q1])…「データ一覧TBL」はテーブル名。[Q1]でQ1の列を対象としている
  • 検索条件2($B211)…B211セルには「A」と入力されているので、「A」をカウント対象となる

検索条件1と検索条件2が合致するものの数が集計されます(=学年が「1」で、Q1が「A」の数を集計)。

 

計算式をコピーするときの注意!

計算式【=COUNTIFS(データ一覧TBL[学年],"1",データ一覧TBL[Q1],$B211)】をオートフィルで横の列にコピーすると、【=COUNTIFS(データ一覧TBL[Q1],"1",データ一覧TBL[Q2],$B211)】となります。テーブルの列名は絶対参照にすることができないので、「$学年」とすることもできません。

 

下記の方法でコピー操作をカンタンに行えます。

  • 計算式をコピーしたい場合は、絶対参照にしたい部分を【abc】のように仮の文字に置き換え
  • (例)【=COUNTIFS(abc,"1",データ一覧TBL[Q1],$B211)】*この段階ではエラーでよい
  • この状態でオートフィルで計算式をコピー。[Q1]は[Q2]となる
  • 「数式」→「数式の表示」で数式を表示させ、【abc】を【データ一覧TBL[学年]】に置換

 

集計した行列を入れ替えるTRANSPOSE関数

TRANSPOSE関数を使うと集計結果の行列(タテヨコ)を切り替えることができます。

TRANSPOSE(範囲)
  • 範囲(B203:V208)…B203セルからV208セルまで(上図の範囲)を指定

TRANSPOSE関数は通常の関数とは入力方法が異なります(下記の手順で入力)。

  1. 表示する全体の範囲を選択(式の入力は指定した範囲の左上のセルに行う)
  2. TRANSPOSE関数を入力(入れ替え対象となる範囲を指定)
  3. 式を入力後にCtrl+Shift+Enterキーで入力を確定させる

TRANSPOSE関数ではセルの書式(背景色や文字の色など)はコピーされません。関数で値が表示された後で、書式のコピーなどを用いて個別に(手動で)設定します。

 

 

学校評価アンケートなど集計作業でエクセルを用いることが多いかと思いますが、基本的にはここで掲載した関数を知っておけば集計作業が行えます。

 

アンケート結果をグラフにする場合でも先に集計作業をしておくことが必要です。
参考にしてみて下さい。


学校でのエクセル活用事例

学校現場でエクセルをどのように活用できるかに絞った先生向けのマニュアル本。クエリ機能ピボット機能校務にどのように活用できるかを事例をもとに解説しています(第1章)。

第2章の事例編では「PDFへの差し込み印刷」「フラッシュカード作成」「条件付き書式による成績確認」など先生に必須の機能を紹介。第3章テクニック編、第4章 トラブル回避編も学校でのエクセル操作に絞って解説しています。


*本書の対象はエクセルを使ったことがある先生向けです。エクセルを使ったことがない方、初心者の方には前著「先生Excel」をオススメします。(前著)初心者向け⇒先生向けエクセル講座「校務Excel」