


エクセルの「並び替え」ボタンを押した瞬間、表のデータがぐちゃぐちゃになって冷や汗をかいた経験はありませんか?
氏名と住所の行がズレてしまった!
あいうえお順に並ばない!
1, 2, 3...ではなく、1, 10, 11...という順序になってしまう。
一見バグのように見えるこれらの現象ですが、実はエクセルの「データの持ち方」や「範囲選択」に明確な原因があります。この記事では、エクセルの並び替えがおかしくなる代表的な5つの原因と、それぞれの直し方を図解でわかりやすく解説します。
【緊急】もしデータがズレて壊れてしまった場合は、何もせずすぐに「Ctrl + Z(元に戻す)」を押してください! まだ上書き保存していなければ、元の状態に戻せます。
今のあなたのトラブルに近いものをクリックして、解決策へジャンプしてください。
並び替えに失敗して、行がズレたり、データがおかしくなったりしても、まだファイルを閉じずに開いているなら、すぐに元に戻せます。
焦って適当な場所をクリックして修正しようとせず、まずは以下の方法を試してください。
一番確実で早い方法は、キーボードのショートカットキーを使うことです。これは「直前の操作を取り消す」という機能です。
| Windowsの方 | キーボードの [Ctrl] キーを押しながら [Z] キーを押す |
|---|---|
| Macの方 | キーボードの [Command] キーを押しながら [Z] キーを押す |
これを1回押すと「ひとつ前の状態」に戻ります。もし1回で戻らない場合(並び替えの後に別のセルを触ってしまった場合など)は、正常な状態に戻るまで、何度か繰り返し押してみてください。
画面左上にある「左向きの矢印マーク(元に戻す)」をクリックすることでも同じ操作が可能です。
「無意識に 【Ctrl + S】(上書き保存)を押してしまった!」
「保存してファイルを閉じてしまった…」
このように、変更を確定させてしまった場合でも、「バージョン履歴」機能を使えば復元できる可能性があります。
OneDriveやSharePointなどのクラウド上に保存している場合、または自動保存がオンになっている場合は、以下の手順で過去の状態に戻せます。
クラウドを使っていない場合、復旧は難しくなりますが、Windowsの機能でバックアップが残っているか確認しましょう。
※ここに何も表示されない場合は、残念ながら自動バックアップが残っていません。手動でデータを修正する必要があります。
「並び替えをしたら、Aさんの住所がBさんのものになってしまった…」
「商品名と価格の組み合わせがデタラメになってしまった」
これは、並び替えにおける最も致命的なトラブルです。特定の列だけが動き、隣の列が置いてきぼりになったことで、横のデータの繋がり(紐付き)が壊れてしまった状態です。
原因はシンプルです。「並び替えたい列だけ」を選択して実行してしまったからです。
例えば、「氏名」の順に並べたいときに、氏名の列(A列)だけをマウスでドラッグして選んでいませんでしたか?
エクセルは基本的に、「選択された範囲の中だけ」で処理を行おうとします。そのため、A列だけを選んで並び替えを実行すると、隣のB列(住所)やC列(電話番号)は一切動かず、A列の中身だけが順番移動してしまうのです。
※通常、エクセルは気を利かせて「選択範囲を拡張しますか?」という警告メッセージを出しますが、これを「現在選択されている範囲を並び替える」にして進めてしまうと、この事故が起きます。
この「行ズレ」を防ぐためのルールはたった1つ。
「並び替えボタンを押す前に、表のデータ全体を選ぶこと」です。
しかし、毎回マウスで表全体を選ぶのは面倒ですし、選択漏れのリスクもあります。そこで、最も安全で確実な「フィルター機能」を使う方法をおすすめします。
この「フィルター機能」を使えば、エクセルが自動的に「この表はここからここまでが一塊だ」と認識してくれます。必ず行全体がセットで動くようになるため、データがズレることはありません。
ショートカットキー:Ctrl + Shift + L で一発でフィルターがつきます。
エクセルで名簿を性別順で並び変えたのに、男→女→男のようにぐちゃぐちゃになってしまう理由と回避策を説明します。
エクセルの並べ替えは初期設定だとフリガナ情報を使って行われるので、同じ文字でもフリガナ情報がある文字とない文字は別文字として扱われます。このため男→女→男のように一見するとぐちゃぐちゃな順になります。
フリガナのある「男」とフリガナのない「男」は別の文字として扱われます。
エクセルの中で「おとこ」と文字入力してから、漢字変換した文字「男」には、エクセルでフリガナ情報が設定されますが、メールなどエクセル以外のところから「男」という文字をコピーして貼りつけたときは、この情報が設定されません。
これがフリガナありとフリガナなしにわかれる理由です。
フリガナありの文字をエクセルでコピーしてエクセルに貼りつければ、フリガナありとなりますし、フリガナなしの文字をエクセルでコピーしてエクセルに貼りつければ、フリガナなしとなります。
上に例示したデータをPHONETIC関数を使ってフリガナを表示させるとこうなります。
「=PHONETIC(セル値)」でセル値のフリガナを表示する
表示させたふりがなが「オトコ」となっている「男」とふりがなも「男」の「男」があります。
このちがいにより、並べ替えたときに同じ「男」という字なのにわかれてしまう訳です。
ふりがなが漢字の「男」となっているのは、フリガナ情報が設定されていないために漢字がそのまま表示されています。
並べ替えのときにオプションを変更することでフリガナを使わずに並べ替えることができます。

こうしてから並べ替えを行えば「ふりがな」は関係なく文字だけで並び替えが行われます。初期値は「ふりがなを使う」にチェックがついているため、並べ替えたときに「男」→「女」→「男」のようにぐちゃぐちゃになってしまいます。
「1, 2, 3…と順番に並べたいのに、なぜか 1, 10, 11, 2, 20, 21… という順番になってしまう」
「並び替えをしても、正しい昇順・降順にならない」
これは、数字がデータとして入っているものの、エクセル側がそれを「数値」ではなく「文字列」として認識していることが原因です。
人間から見れば「10」は「2」よりも大きい数字ですが、パソコンがこれを「文字」として判断すると、ルールが変わります。国語辞典で「あ」の次に「い」が来るのと同じように、「先頭の文字」から順番に並べようとするのです。
| 数値の場合 | 量の大きさで比べる(2 < 10) |
|---|---|
| 文字列の場合 | 左端の文字から比べる(10 は "1" で始まるので、"2" よりも先に来る) |
並び替えがおかしいセルの左上に、小さな「緑色の三角マーク」が付いていませんか?
これはエクセルからの「この数字、文字として保存されていますが間違いではないですか?」という警告のサインです。
他システムからCSVデータをコピーした場合や、数字の頭に「'(アポストロフィー)」が付いている場合にこの現象がよく起こります。
この緑のマークが出ている場合は、エクセルの自動修正機能を使って簡単に直せます。
緑の三角が出ているセル(文字列になっている数字)をすべてドラッグして選択します。
選択した範囲の横に、黄色い「!」マーク(注意アイコン)が表示されるのでクリックします。
メニューの中から [数値に変換する] をクリックします。
これで、左上の緑のマークが消え、データが正式な「数値」に変わります。この状態でもう一度並び替えを行えば、正しく「1, 2, 3… 10」の順に並びます。
数字を含む列の並び替えがぐちゃぐちゃになっているときは、半角数字と全角数字が混在している可能性があります。使用しているフォントによっては半角数字と全角数字の区別がつきにくい場合もあるので気をつけてください。
数式が設定してあるセルを並び替えると、設定している数式によっては並び替えた結果がぐちゃぐちゃになってしまうことがあります。成績処理などで数式を使っているシートは要注意です。
こうした場合は、次の手順で並び替えを行ってください。
「並び替えボタンを押すとエラーが出て動かない」
「並び替えをしたら、一番上の『氏名』や『金額』というタイトルまで混ざってしまった」
これは、エクセルが表の構造(どこが見出しで、どこがデータか)を正しく認識できていないことが原因です。
並び替えをしようとした瞬間に、このエラーメッセージが出て止まってしまうことはありませんか?
並び替えを行う表の中に「セルの結合」が含まれていると、エクセルは並び替えを拒否します。
例えば、2つの行を縦に結合している箇所があると、エクセルは「行ごとの入れ替え」ができなくなる(結合されたカードはシャッフルできない)ためです。
並び替えを行う範囲内には、結合セルを使わないのが鉄則です。
※見た目を整えるために結合を使いたい場合は、並び替えが終わった後で再度設定するようにしましょう。
「氏名」の順に並び替えたはずが、「氏名」という項目名自体が「さ行」のデータの位置に移動してしまった…というケースです。
これは、エクセルが一行目を「タイトル」ではなく「データの一部」だと勘違いしているために起こります。
並び替えの詳細設定で、エクセルに「一行目はタイトルだよ」と教えてあげましょう。
「並び替え」ボタンは手軽ですが、範囲選択のミスが起こりやすい機能でもあります。
今後、二度とデータをぐちゃぐちゃにしないために、並び替えを行うときは必ず「フィルター」を使う癖をつけることをおすすめします。これだけで、トラブルの9割は防げます。
フィルター機能を使うメリットは、「エクセルが認識している表の範囲が可視化される」ことです。
見出し行に「▼」ボタンが表示されていれば、エクセルは正しく表全体を認識しています。この状態で「▼」から並び替えを行えば、絶対に行ズレ(データ崩壊)は起きません。
| 安全確認 | 「▼」ボタンがついている範囲=並び替えられる範囲です。 |
|---|---|
| 操作 | [データ] タブの [フィルター] ボタンを押すだけです。 |
いちいちマウスで「データ」タブを開くのが面倒…という方は、一瞬でフィルターをON/OFFできる魔法のショートカットキーを覚えましょう。
[Ctrl] + [Shift] + [L]
List(リスト)の L と覚えておきましょう。
表の中のどこかをクリックしてこのキーを押すと、一発でフィルターモードになります。(もう一度押すと解除されます)。
「並び替える前には、Ctrl + Shift + L」
この習慣さえ身につければ、もう並び替えで冷や汗をかくことはありません。
安全に、そして快適にデータを整理しましょう!

学校現場でエクセルをどのように活用できるかに絞った先生向けのマニュアル本。クエリ機能やピボット機能を校務にどのように活用できるかを事例をもとに解説しています(第1章)。
第2章の事例編では「PDFへの差し込み印刷」「フラッシュカード作成」「条件付き書式による成績確認」など先生に必須の機能を紹介。第3章テクニック編、第4章 トラブル回避編も学校でのエクセル操作に絞って解説しています。
*本書の対象はエクセルを使ったことがある先生向けです。エクセルを使ったことがない方、初心者の方には前著「先生Excel」をオススメします。(前著)初心者向け⇒先生向けエクセル講座「校務Excel」