エクセルは数式やデータを更新したときに正しい結果が表示されないことがあります。これは再計算が自動的に行われていないことが原因です。本記事では、エクセルで再計算を実行するための方法や、その際の注意点を解説します。
エクセルに設定した計算式は、計算を行うタイミングが「自動」と「手動」にわかれます。
この2つの方式を切り替えることで再計算が遅いときやフリーズしてしまうトラブルを回避することができます。
例えば、次のように【セル】に値が設定されていたとします。
この場合、【A3セル】には、10+20の答えとなる30が表示されます。
ここで、【A1セル】の値を「10」から「30」に変更します。
すると、自動的に【A3セル】も再計算され「50」と表示されます。
「F9」キーをクリックすると全シートを再計算され、「Shift + F9」キーをクリックすると現在開いているシートのみが再計算されます。
これ、便利なのですが、場合によってはデメリットもあります。
それは、その都度、再計算していると時間がかかるということ。
上のような簡単な式なら一瞬で終わりますが、複雑な式がたくさん設定されているようなエクセルファイルだと、一ヶ所変更するたびに再計算され、時間がかかります。
そうした場合は、この再計算するタイミングを自動から手動に切り替えることができます。
手動にすると、『再計算実行』ボタンが押された場合だけ、計算されるようになります。
『データテーブル以外自動』の意味がわからなくても、自動と手動の切り替えだけで通常の校務作業では問題ありません。
上記の設定を「手動」にした場合は、再計算するには「再計算実行」ボタンか「F9」ボタンをクリックします。クリックしたタイミングで再計算が実行されます。
再計算実行ボタンは、メニュー「数式」の中にあります。
再計算の設定が「自動」になっていて、エクセルが固まってしまったようになるときは、再計算中でもショートカットキーで、【ALT】+【M】→【X】→【M】の順に押せば、手動に切り替えることができます。上記のショートカットキーが反応しないときは【ESC】キーで処理を止めることもできます。
エクセルの計算方式はデフォルト(初期設定)では「自動」になっているのですが、これが”知らないあいだに”「手動」に切り替わっていた。という話を聞くことがありますが、これはショートカットキーによるものです。
なんらかの操作をしているときに、自分でも知らないあいだに(タイプミスなどで)、このショートカットキーをクリックしてしまった…ことで自動→手動への切替が行われたことによるものです。
再計算させたのに計算結果が間違っている(正しくない)という場合は、計算式が間違っている可能性があります。まずは、計算式を確認してみて下さい。
計算式も間違っていないというときは、計算対象とする数値が全角で入力されていないかをチェックしてください。エクセルの計算式は半角数値を計算対象としています。
全角で入力された場合、文字列とみなされ数値として計算対象になりません。
くわしくは下記の記事で解説しています。
学校現場でエクセルをどのように活用できるかに絞った先生向けのマニュアル本。クエリ機能やピボット機能を校務にどのように活用できるかを事例をもとに解説しています(第1章)。
第2章の事例編では「PDFへの差し込み印刷」「フラッシュカード作成」「条件付き書式による成績確認」など先生に必須の機能を紹介。第3章テクニック編、第4章 トラブル回避編も学校でのエクセル操作に絞って解説しています。
*本書の対象はエクセルを使ったことがある先生向けです。エクセルを使ったことがない方、初心者の方には前著「先生Excel」をオススメします。(前著)初心者向け⇒先生向けエクセル講座「校務Excel」